Vol.2508 ナンジャモンジャ通りには昔戦車が走っていました。

ナンジャモンジャ通りに昔からお住まいの方は、「この通りは戦争中陸軍の研究所で試験用プールまで戦車や上陸用舟艇などを走らせていたので、ナンジャモンジャ通りになる前から広い路のままだった」との話がありました。市役所で管理している部署に確認しましたが、終戦直後の道路資料は無いとの事でした。考えたら現在の道路管理が仕事なので当たり前でした。この為当時の写真を手がかりに確認する事にしました。

平成21年の航空写真です。今も新小金井街道のバス停「プール前」は陸軍時代の上陸用舟艇などの試験を行ったプールがあり、戦後は学芸大付属小学校や町民のプールとして使われていた名残で「プール前」の名前がそのまま使われています。バス停の名前は是非残して欲しいものです。戦争中の潜水艦艦長の手記に「水陸両用戦車の試験を見に来た」と書かれています。国土地理院空中写真閲覧サービスを使用

終戦後アメリカ軍が撮影した航空写真を見ると確かに、今のナンジャモンジャ通りから陸軍研究所のプールまでコの字型に大きな道路が写っています。この部分から外れた道路はそれほど大きくありません。確かに話しの通り戦車が通れる状態です。国土地理院空中写真閲覧サービスを使用

陸軍研究所の全体図面です。赤丸内がナンジャモンジャ通りからプールの範囲です。ナンジャモンジャ通り等がはっきり確認出来ます。小金井では無く「国分寺地区配置図」となっています。当時陸軍からみると国分寺側には南部十四年式拳銃などで有名な、中央工業南部工場がありました。戦後ここでペンシルロケットの実験が行われましたが残念ながら場所はギリギリ国分寺です。配置図はアジア歴史資料センターの資料より転載。

令和元年の航空写真に上の研究所敷地を見るといかに大きかったかが解ります。赤丸部分が切り欠き状になっていますが山王稲穂神社です。国土地理院空中写真閲覧サービスを使用

舗装前のナンジャモンジャ通りの写真です。路線バスの幅は2.5ｍです。道端には草が生えていますが、右後ろの電柱の位置からは路の端はスクーター（カブ）のハンドル位置程度と考えられます。このため、道路幅は約10ｍ以上と推測出来ます。この写真は昭和38年試験的にバス通りに廃油を散布したときの写真です。舗装される前で、砂埃対作かバス通過による砂利保護の試験でしょうか。結局は実施されなかったようです。実際に道路幅は12ｍです。

2枚の写真は昭和44年、今の本町団地入口信号の歩道橋工事中中の写真です。既に舗装はされていますが、当時まだ商店街が出来るときで、露店的にお店が並んでいました。観光地の朝市のようです。当時は梱包材は木箱で、この木箱を商品陳列台に使っていました。確かに拡幅工事では無く、最初から広い通りで有った事が、砂利道写真とこの写真で解ります。買い物の女性も和服でエプロンでは無く「割烹着」です。赤ちゃんもベビーカーではなく「乳母車」に乗っています。一番下はほぼ同じ位置からみた現在の写真です。

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