Vol.3541 小金井に植木畑が多いのは多磨霊園の開園と東京の成長が影響しています。

小金井と周囲の地域では、植木の畑がいまでも多く残っています。これは大げさに聞こえますが、武蔵小金井駅の開業と戦後の東京の成長が大きく影響しています。この歴史は小金井市農業共同組合五十年史221頁から227頁に詳しく出ています。

武蔵小金井駅北口にあるむさこぷらっと公園のガード側に小金井近郊の植木産業の歴史を紹介した標示があります。

現在も小金井のあちらこちらにこの様な植木畑があります。多磨霊園が開設され、小金井口、霊園通りが出来ると農家の庭先や畑の周囲の植木が大量に、しかも思わぬ高値で売れ、その後も霊園の個人利用者らに売れ続けたそうです。

半分葉に隠れていますが、農地であることを表す杭が立っています。昭和初期から、区部に隣接する宅地化が進められており、住宅の庭木用として「幹もの」が多く栽培されました。戦前植木中心の農家は数えるほどだったそうです。昭和28年小金井町苗木生産振興会が設立され、小金井での植木生産の基盤が作られました。

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昭和34年にはオリンピックや住宅公団の団地建設、都営住宅などの垣根用が取引されました。昭和50年代になると市内の住宅事情の変化から庭木から公共樹木が多くなったそうです。写真は昭和38年貫井南町の植木畑です。現在の畑より多くの種類が栽培されています。

昭和42年には公会堂の西側に植苗木の見本展示場が開設されました。しかし、昭和52年には自転車置き場確保で閉園されました。右側に写っているのは公会堂横にあった跨線橋です。この場所は現在も駐輪場となっています。

面白い逸話では、昭和52年に当時の公会堂前に振興会設立25周年で記念植樹がされましたが、最初北口駅前広場に植える予定で交渉し、国鉄（当時）の許可は出ました。しかし消防庁から「将来大きな建物が出来た時の避難場所にする」と言われて公会堂前に変わったそうです。平成8年には小金井マザーズ・ガーデンが開園しましたがこの話は別に紹介しようと思います。

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