Vol.3172　昔小金井など多摩地域を農耕地に指定する法律ができ、町や町民の反対運動が起こりました。

昭和31年に制定された首都圏整備法では、「首都圏に集中した人口を近県各地に分散させる事を目的とした法律で、当時の小金井町を含めた北多摩地域は緑地帯（グリーンベルト）に指定されました。この指定を受けると、野菜、牛乳などを提供する農耕地を残し、集合住宅や工場の建設が制限され、病院、墓地等の設置のみ許される地域となってしまう。」事が危惧されました。小金井市議会史37頁より

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昭和31年12月4日に日比谷公園で行われた反対運動では4000人が集まり、小金井町からは町長、議員など200名が参加しました。小金井市議会史39頁より。　現在の「主催者発表」と違い、写真からは実際に4000人程度集まっているように見えます。現在の日比谷野外音楽堂の収容人員は3,119名です。

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近郊整備地帯について、首都圏整備法第二十四条では　国土交通大臣は既成市街地の近郊で、その無秩序な市街地化を防止するため、計画的に市街地を整備し、あわせて緑地を保全する必要がある区域を近郊整備地帯として指定することができる。とされていました。既成市街地は都区部など、近郊整備地帯に北多摩の小金井などが指定されています。

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小金井町の町長も自ら演壇に上がっています。後ろの垂れ幕には「我々自治体の自主権五十万住民の団結で守れ」と書かれていて、自治体をあげての活動であることが判ります。

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壇上は浅沼稲次郎でしょうか。4年後の昭和35年に日比谷公会堂での立ち会い演説会会場で刺殺されています。生まれは小金井とも縁のある三宅島（神着村）で生まれています。父は村長を務めた方です。現在お墓は多磨霊園にあります。埋葬場所は18区1種3側12番です。

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小金井町は首都圏整備法の対抗手段として「小金井町都市計画審議会条例」で対抗しました。また反対派住民も住宅建設などで土地利用の既成事実を作る穴あけ作戦で対抗し、議会でも積極的に支援しました。小金井市議会史41頁より。　穴あけ作戦は各市町が同じような自主的計画案を作成して市街地化を容認する穴あけ作成を決定しました。小金井市史通史編656頁より。

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今で言うデモ行進の様子です。むしろ旗がある事が時代を感じます。

集会後の昭和32年1月20日発行の小金井町報です。「緑地帯設定反対の旗幟をかかげて」として集会の様子が紹介されています。これらの運動から、昭和40年6月首都圏整備法が改正され、グリーンベルトは廃止されました。小金井市史通史編660頁　この後、北多摩地域は急速なベットタウン化が始まりますが、近郊整備地帯は既成市街地と異なり、いわゆる三多摩格差となってしまいます。

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