Vol.3636　小金井路上観察　ほとんど意味のない石のある風景３　桜町編

以前から、小金井の町中にほぼ無用にも関わらず、オブジェのような存在感の「石」が存在しているのを紹介してきました。

東町と本町に続いて、今回は桜町の無用石を紹介します。

緑桜通りが間もなく小金井街道にぶつかる桜町１丁目７番にそれはあります。

石碑のように立っている無用石です。
本町にあったタイプによく似ています。

おそらくこれも「いけず石」と思われます。

「いけず石」とは「車よけのために住宅等の敷地の角や端に設置される石」で「車両の侵入による塀や外壁などへの接触・損傷を防ぐ」とwikipediaにはあります。

この辺りの交差点の至る所に住宅の塀を守るために「いけず石」が設置されていることからも推測できます。

こういうツインタワータイプもよく見かけます。
でもこれは立派に塀を守っているのです。

ところが、こちらの石はどうでしょう。

守っているのは、駐車場でしょうか？
いや、駐車場に多少車の後輪が乗り上げようと、大きな問題は起こらないはず。

とすると、このいけず石は何を守っているのでしょう？
しいて言えば、フェンスを守っている形になっています。

ここからは推測ですが、おそらくこの場所には以前、塀に囲われた住宅があったのではないでしょうか。その塀を守るために設置された「いけず石」だったのが、ひょっとすると肝心の住宅と塀が解体され、いけず石だけが残った、ということではないかと予想します。
もしそうだとしたら、住宅を壊してもなおこの石だけは残そうという強い意志を感じます。石にも意思を感じます。

考え過ぎでしょうか。こういうことを考えながら町を歩くの路上観察の醍醐味です。

このような本来守るべき目的物がなくなったにも関わらず、残り続けている「いけず石」を、勝手ながら「無用石」と呼んでおります。