Vol 3055 活学の復活を！安岡正篤没後40周年

「萬世の為に太平を開かんと欲っす。」

　この昭和天皇の終戦詔勅の一句を入れたと言われる安岡正篤が、昭和58年（1983年）12月13日大阪の地で亡くなってから今年令和5年（2023年）は40周年となります。

　安岡正篤は、1898年大阪府に生まれ、東京帝国大学法学部を卒業。テレビ・マスコミ等では「漢学者」「陽明学者」と紹介されることが多いですが、老荘思想や仏教も含めた東洋思想・東洋哲学全般を研究。戦前は「金鶏学院」「日本農士学校」を設立、戦後は「全国師友協会」を設立して政財界等のリーダーの啓発・教化に努め、その精神的支柱となりました。晩年には「文明史家」といえるような高邁な境地に至られています。先の元号『平成』の考案者とも言われています。

　この安岡正篤が、昭和37年8月13日から16日までの4日間東京都小金井市緑町にある「浴恩館」（現小金井市文化財センター）にて「第5回全国師道研修大会」を全国師友協会の会員を対象に開催。「師と友の道―小学抄、友経」と題して他講師7名と学を講じています。

　その内容詳細はわかりませんが、「小学」すなわち中国の朱子が先人の有益教えを274条にしてまとめたものから、その講釈等を通じて以下のようなことを説かれたのではないかと推測されます（安岡正篤「人間維新Ⅲ」（邑心文庫）、同「洗心講座」（致知出版社）から要約）。

　「まず失われた自己を回復しなければならない。」

　「精神の革命なくして人間は救われない。」

　「現代の悩みはその小学をなくしてしまったところにある。」

　・浴恩館　まろん通信Vol.2967 小金井で、避暑地の気分を味わえる場所が有ります。 | まろん通信 (koganei-

kanko.jp)

・浴恩館　URL　https://www.city.koganei.lg.jp/smph/kankobunka/bunkazai/bunkazaisenta.html

　写真は私レポーターが2022年6月に埼玉県比企郡嵐山町菅谷にある安岡正篤記念館・日本農士学校跡地を訪れた時に撮影した写真になります。

　ウクライナ戦争、米中新冷戦、地球温暖化などの資本主義の行き詰まりなど、出口が見えない混迷する現代において、人と自然を一体のものとしてとらえる東洋思想・東洋哲学の研究・普及に生涯を捧げた安岡正篤の書籍を読み、静かに自己を取り戻し、これからの人生活路を切り開く鍵を探すのも良いのではないでしょうか。安岡正篤についてもっと知りたい、どの本から読めば良いかわからないという方は、小金井市観光まちおこし協会まろん通信レポーター山紫水明までメールにて問合せ下さい（まろん通信レポーター　山紫水明）。

【安岡正篤の主な著作】

　「王陽明研究」「日本精神通義」「経世瑣言」「老荘思想」「漢詩読本」「政治家と実践哲学」「百朝集」「易学入門」「禅と陽明学」「論語の活学」「知命と立命」「活学第一編」「活学第二編」「活学第三編」など多数。

・安岡正篤記念館　URL　https://kyogaku.or.jp/

・致知出版社　URL　https://online.chichi.co.jp/category/BOOK11/

・プレジデント社　URL　https://presidentstore.jp/category/BOOKS06/

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