Vol.3260 今回の多摩のあゆみでは多摩の過去地震が特集されています。

能登半島で大地震がありましたが、今回の多摩のあゆみは多摩地域での過去の地震について特集しています。弘仁九年（８１８）の関東地方北西部の地震の６０年後におこった、元慶五年（８８１）の地震から関東大震災まで歴史上の大地震が特集されています。特集の最後には「今、首都直下地震に備える」として過去の地震に学ぶ事が特集されています。

季刊誌多摩のあゆみ最新号は多摩信用金庫さんで頂く事が出来ます。特集の最後には「いま、首都直下地震に備える」として、多摩地域では震源断層が武蔵村山から八王子の南北ライン上昭島と八王子の市境を想定した、多摩東部直下型地震などが説明されています。

関東大震災では被害の少なかった西多摩地域が都心に一番近い救援基地となり、救援資材を集め、届けることと、現地での配給活動をになったそうです。

小金井では関東大震災の被害は少なかったのですが鉄道を歩いて避難する方が多く、小金井101話の実家は梶野新田線路の近くにあり、避難する方に麦茶を振る舞ったそうです。星野進一著　小金井101話45地震と麦茶に詳しく書かれています。101話の挿絵より転載。

武蔵国分寺の七重塔再建の前後に弘仁地震、元慶地震と続き、落雷で焼失した七重塔再建以外にも伽藍全体の修繕事業となりました。その理由が元慶地震で伽藍全体が被災したためと推測されています。

再建期の瓦積基壇が発掘調査で見つかっています。現在の復元された講堂跡の基壇には写真のように、一部発掘された瓦が使われています。基壇の一部にこの瓦が使われています。訪れたときに是非探してみてください。

こちらは2つめの七重塔が作られた場所ですが、残念ながら完成しませんでした。これは発掘調査で瓦がほとんど出てこない事から推測されました。弘仁地震は推定マグニチュード7．5程度、元慶地震はマグニチュード7．4程度と推定され元慶地震の震源は伊勢原断層ではないかと言われています。やはり震源が近いと被害が大きくなっています。

近世の地震では各時代の名主の日記などから見た災害の様子が書かれています。安政二年（1855）の安政地震では、たまたま蔵敷村の名主が江戸橋本町で地震にあい、帰る途中見聞きしたことが書かれていて、被害の境目は代田橋付近だったそうです。指田日記より。写真は武蔵村山市ホムページより転載。この地震の震源は東京湾北部、マグニチュード7．2程度と推測されています。

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