Vol.1473 日本初！JR東小金井駅に「駅そばロボット」が期間限定で登場

このところ進化し続けているJR東小金井駅。

北口のロータリーをぐるりと囲む通路シェルターは、先月設置されたばかりの真新しさです。

そして、駅構内にあるおなじみ「そばいちnonowa東小金井店」にもなにやら大きな変化が…。

去る3月16日（月）にはおよそ50組の報道陣が「そばいち」に詰めかけ、普段はのんびりしている東小金井駅もちょっと異様な雰囲気に包まれていました。

それもそのはず。この日、日本初、そしておそらく世界初であろう「駅そばロボット」が報道公開されたのです。ここ、小金井市でっ！

「駅そばロボット」の実態は、店内の壁に固定されたアームロボット。五つの回転軸を駆使して、狭い空間でもキビキビと動き回っていました。

てぼ（麺を茹で上げるザル）に生そばをセットするだけでロボットのセンサーが感知し、自動的にそばを茹で、ぬめりを洗い落とし、冷水で締めてくれます。

1時間あたりのそば生産量は40食とのこと。労働時間にして8時間、従業員一人分の1日の作業量を置き替えてくれるそうです。

店内と厨房にはモニターが設置されており、そばロボットがどの行程を行っていて、作業時間があとどれぐらいかが一目瞭然。

このアームロボットと、アームロボットの動きを制御するソフトウェアを開発したのは、東京農工大学小金井キャンパス内の多摩小金井ベンチャーポートに在籍しているコネクテッドロボティクス株式会社です。

「調理をロボットで革新する」というスローガンを掲げ、これまでにもソフトクリームロボットのレイタくん、たこ焼きロボットやビールサーブロボットなどを次々と開発して注目されてきました。

コネクテッドロボティクス社の代表取締役CEO・沢登哲也さんのお話では、今回「駅そばロボット」を開発するうえでもっとも難しかったのはいかに狭い空間で安全に稼働させるか。

その点、アームを壁に固定することで広い稼働範囲を確保し、さらにゆで麺機にすっぽりと入るてぼを設計することで省スペースな作業場を実現していました。

なお、万一そばロボットが人や物と接触してしまった場合は自動停止するよう設定されているそうですが、今のところ障害物を感知するセンサー等は搭載されていないそう。安全面に関しては、実際に稼働させながら改善していく余地もありそうですね。

さて、肝心のお味は？

せっかくなので、そばロボットが茹でてくれたもりそばをご馳走になりました。

ムム……かための歯応えでおいしい！

熟練のそば屋さん直伝のゆで方を踏襲しているだけあり、人が茹でたそばに引けを取らないおいしさでした。

コネクテッドロボティクスと共同でそばロボット開発に携わった株式会社日本レストランエンタプライズの代表取締役社長・日野正夫さんは、「あくまで実験なので」と前置きしつつも、今回の実証実験を経てそばロボットを改良し、さらに処理能力を上げていくことができれば、今後他店舗でも展開していく可能性を否定していませんでした。

単純反復作業をロボットに置き換えていくのが狙いで、店舗の無人化を目指しているわけではないとおっしゃっていたのも印象的でした。

飲食業の人手不足が叫ばれている今、ロボットを導入することで忙しいピーク時にも安定したおいしさを提供できると期待されています。また、そばロボットの開発時には「かき揚げロボット」の構想もあったそうなのですが、こちらはなかなか開発が難しいそうですよ。