Vol.3907 欅の成長が原因で玉川上水が崩れかけているのをみて、成長がそんなに早いのか調べて見ました。

春になって草が伸びて目立たなくなってきていますが、草が伸びる前には法面が崩れだしている状態をはっきり見ることが出来ました。確かに欅の根が伸びて、東京都が指定した歴史環境保全地域を壊している様子を目の当たりにします。「欅を庭に植えると大変な事になるぞ」と言われることを実感出来ます。どれほど成長が早いのか調べて見ました。

改めてみると切り株は法面を壊す怪獣のように見えます。昭和怪獣映画ゴジラVSへドラを思い出してしまいました。

法面の幅があるからまだ良かったですが、もう少し生長したら台風などの時、大規模に崩れる可能性も考えられます。このスピードで伸びたので、光もあたらなくなり法面の生物多様性も損なわれてしまいました。

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昭和40年（1965）淀橋浄水場が廃止され、役目が東村山浄水場に引き継がれました。小平監視所から下流は水が無い空堀状態となりました。植物の種が水で流されなくなると一気に植物が茂るようになってしまいました。写真は現役時代の玉川上水と廃止後の状態です。

玉川上水が空堀化した後、地元のボランティアが本来の植物を救出する活動も有りました。

平成17年9月4日豪雨で井の頭公園近くの玉川上水で崩落事故も起きています。写真はその様子を伝える東京新聞9月10日の記事です。このような崩落が切掛になって法面の保全が開始されました。欅などを切った事で本来の植も復活しました。

木（種に欅）が玉川上水に茂っていった状態を比べる事ができる写真が無かったので、航空写真で比べて見ました。昭和31年の写真です。上水に木はほとんどありません。航空写真はすべて、国土地理院地図・空中写真閲覧サービスを使用。

玉川上水に水が流れなくなってから24年後、平成元年の写真です。四半世紀で一気に生長しているのが判ります。

さらに19年後平成20年の写真です。木が無いのは橋の上だけになっています。40数年間で驚異的なスピードで生長しています。

色々調べて見ると、土の中で透水性が高いほど欅の生長が早いことが判りました。1分間で100CC以上の透水性で生長が早いので確かに水が無くなったと言っても法面は欅にとって最高の場所です。岐阜県森林研究所　岐阜県の林業１９９５年４月　より転載。

欅の成長速度は20年～25年で最大になって、その後成長速度が遅くなりますが成長が止まるわけではありません。欅が生長することは根もそれだけ生長します。透水性が高い土壌で成長が早いとは、同じ欅でも土が硬い公園の欅よりも、同じ期間でより大きくなって崩れやすい場所で育つことが判りました。けやき人工林の現況について　鯵ケ沢営林署　林野庁ホームページより転載。

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