Vol.3590 ビートルズ来日時の台風などでは、野川・仙川の氾濫が有りましたが、今は洪水がおきにくくなっています。

つい最近も台風の影響で大雨の影響で土砂災害警戒レベル4の避難指示がでました。過去には野川や仙川で洪水が度々おこり、本町住宅では救命ボートで救助される事までおきました。最近は土砂災害や雷の警報は発令されますが、床下浸水などはあまり聞かなくなりました。理由を調べて見ました。

昭和41年台風4号の影響で床下浸水がおこった、前原住宅の写真です。

同じく台風4号で仙川が氾濫した小金井街道の状況です。

台風4号は上陸はしませんでしたが、暴風雨で大きな被害をもたらした台風です。この台風でビートルズの来日も11時間遅れ午前3時39分に羽田空港に到着しました。あのビートルズ到着を遅らせた台風で小金井も被害を受けていました。あの有名な法被を着てタラップを下りてきた写真は、夜明け前3時39分の写真でした。到着時の写真が少ないのは、遅すぎて多くのカメラマンは帰ってしまったためと言われています。気象庁過去の台風データより。

台風4号の被害は大きかったので、昭和41年7月15日の司法では罹災者に市民税、固定資産税、軽自動車税など地方税の減免が行われました。隣の記事では本町小、東小のプールが完成間近の記事が出ています。当時は人口増加にインフラ整備がなかなか追いつかない時代でした。

昭和44年の下水道起工式の写真です。下水道は昭和56年9月に完成しました。

昭和56年4月5日号の市報に下水道の普及率と水洗化率が説明されています。まだ4月で最終的に完了していないので（見込み）と標示されています。当時は生活排水が野川に流れることを防ぐことと水洗化が主目的でした。

下水道の普及でそれまで野川に流れていた雨水が下水道に流れるようになり、浸水被害は大きく現象しました。ただし赤枠部分、昭和51年9月9日には野川、仙川で床下浸水が多く発生しています。東京都水道局市町村別水害データより。

被害が大きく出たのは、昭和51年9月の台風17号です。今回の台風10号と同じく台風が長期間日本付近にあり、前線が関東から四国付近に停滞していたため、全国的に大雨となり、土砂災害や洪水が多発しました。防災科学研究所資料より。台風進路は気象庁過去の台風データより。

予想外の豪雨への対策として小金井に関係した部分では、雨水を浸透マスを使って地下水にすることも進めてています。地下水くみ上げ過ぎによる地盤沈下対策も有りましたが、現在は河川の氾濫対策ともなっています。左は市役所第二庁舎一階に展示されている小金井市式雨水浸透モデル。右は本庁舎西側に設置してある雨水貯留・浸透体験施設です。

豪雨時の対策として野川の貯留施設として作られた調整池です。

現在雨水の約30％程度が下水道を流れます。

小金井の多くの地域を占める野川処理区は、大田区の森ヶ崎水再生センターで処理され東京湾に流れます。西側の北多摩第一号処理区は北多摩一号水再選センターで処理され玉川に流れます。どちらも豪雨でオーバーフローした分だけが野川に流れます。昔の小金井では雨水は100％野川に流れていた時代から下水道普及と改良の努力で洪水は少なくなってきました。