2024.05.23

場所・坂・街角風景

Vol.3457　小金井路上観察　東小金井駅北口のナゾの高低差

東小金井駅北口駅前（梶野町５−３−３７）に、ナゾの高低差があります。
北口ロータリーから、地蔵通りを挟んで北側です。

きっとスケボーに乗ってこの横を通ると、無性にこのアールを駆け上がりたくなる絶妙な坂になっていますが、もちろんスケボーパークではありません。

市川モータープールという駐車場がその段差の上にあります。
隣にも、つい最近まで三井のリパークがありましたが、いつの間にかなくなったようです。

市の掲示板も、この傾斜の上に設置されています。

パーキングの他にも、この敷地には何やらプレハブ小屋が立っているのが見えます。

駅前の一等地になぜ？
と近づいてみると、土地区画整理事業の事務所であることがわかりました。

あれ！この建物って、昔は駅前になかったような・・・
今から１０年以上前、確かこの辺りには大きな駐輪場があって、その向こう側に小さなプレハブが建っていた遠い記憶が・・・

「東小金井駅北口まちづくり３８号」（平成２１年７月　小金井市発行）の２・３ページの地図をネット上から見つけてきました。これではよくわからないので、ズームします。

赤い囲みがプレハブ。緑色の囲みが高低差の丘の部分。（色枠は筆者追記）
そして、ありましたオレンジ色のところが駐輪場（東小金井北第１自転車置き場）でした！やはり。
ピンク色は当時の地蔵通りと梶野通りですから、確かに駅前からは奥まったところに建っていたことがわかります。
建物が動いたのではなく、町の方が動いたのです。

（同じ場所の２００９年８月の様子は、Google Mapストリートビューの過去の写真から見ることができます。
https://maps.app.goo.gl/v4H1Z4hnoii4fSgn8　）

そして、上の地図の黄色い囲みが、先ほどの写真にも写っていた「市川モータープール」ですが、元々は現在の倍もの大きさだったことがわかります。区画整理で大きくセットバックし、広さも半分ほどになったのですね。

06-005-01-00476

さらに遡って、平成初期の東小金井駅北口の様子です。塀に囲まれたエリアがパーキングで、この頃からあったことがわかります。

２０２４年現在、マルエツ東小金井駅北口店の南側には、当時のままだと思われる塀が残っています。
（駐車場番号７番が、そんな場所にあったら、どうやって車を入れるのか？と、つっこみたくなる謎の７番プレートがありました）

さらにその裏側の様子です。要塞のように幾重にも重なる柵と塀の向こうに、この町の風景の移り変わりをずっと見つめてきた区画整理事業事務所のプレハブが立っています。
事務所があるからなのでしょうか。ここだけ開発に取り残された「小高い孤島」になっているのです。

似たような風景を、そこからすぐ西側でも発見しました。

同じような高低差がここにあります。ここは一体なんでしょう？

別の角度から覗いてみると、なんだかただごとではない雰囲気。上からネットを被せてあるようなのですが、果樹園でもないのに、何を守ろうとしているのでしょうか。アスファルトの隙間から草が元気よく生えていました。

実は、ここもかつては駐輪場でした（先ほどの上の地図に「東小金井北第３自転車置き場」と書かれています）。
「凍結注意」の表示が、かつてここが駐輪場であったことを物語っています。
ここも、区画整理事業の掲示板があるので、先ほどのプレハブ同様に最後まで残るのでしょうか？

敷地のフェンスには地図がありました。

地図に載っているお店を見るとそんなに古いものではなさそうですが、網がかかっていてとても見づらい上に、どこを探しても現在地が見つかりません。

よく見るとありました。ずいぶん隅っこに、というか欄外に現在地。不思議がいっぱいです！

話が横道に外れましたが、問題はこの並びのドラックストアの前にある、ナゾの段差です。

車道と歩道の間に、不思議な段差があり、前から気になっていました。
なぜなら、昔はここに段差なんてなかったからです。
道路の拡張工事の過程で、突然現れたと思われます。

同じ場所の２００９年８月の様子を見ると、車道と歩道の間には確かに段差はありませんでした。
Googlemap　ストリートビュー→https://maps.app.goo.gl/57h9xBKBabhaNvpR6

区画整理を進める中で、かなり車道の高さを下げたことがわかります。なんと３０cmほども掘り下げているのです！

同じような段差が最近までロータリーの西側にありました。（2020年7月撮影）
以前に100円ローソンがあった前あたりですが、画面右側のガードレールが明らかに傾斜しているのが見えます。ここも歩道だけが３０cmほど高く高低差がありました。

同じ場所の現在の様子（２０２４年５月撮影）。このようにフラットになっています。
あれだけの土はどこへ行ったのでしょうか？

最新の「東小金井駅北口のまちづくり　第５２号」（令和５年１０月　小金井市発行）４ページに、この高低差のことが書かれていました。

「駅前の交差点の地盤高を周辺の整備済み箇所の高さに合わせて下げたことにより、車道・歩道の坂や段差が解消されました」とあります。

つまり、この高低差は、もともとのこの付近の高さだったのだと考えられるのです。
ここだけが出っ張っているんじゃなくて、周りが下がったのですね。１５年余りかけてじわじわと下げられていたので気がつかなかったですね。

「東小金井駅北口のまちづくり　第５２号」（令和５年１０月　小金井市発行）の２・３ページには、今後の施工予定箇所図が載っています。グレーのところは施工済み。
赤丸（筆者追記）の部分は、先ほどの写真にあったドラッグストアー前の段差です。黄色く網掛けされた街区番号①は、あの駐輪場とドラッグストアーの場所ですので、令和７年にはあそこもフラットになってしまうのでしょう。

しかし、問題は青丸（筆写追記）で囲んだ、事務所のプレハブの建っている小高い孤島ですが、
ここだけは令和7年度までの計画に入っていないので、やはり着工は最後のようで、もうしばらくこの高低差（かつての東小金井駅北口の町の高さ）を味わうことができそうです。そして、なんと「１号公園」と書かれています！