Vol.3140 滝千春「12-toneS」を深く楽しむための関連講座「弦楽器は語る『歴史編』ヴァイオリンの歴史」に参加して

　12月9日に小金井宮地楽器ホールで行われる滝千春「12-toneS」の公演をより深く楽しむための音楽講座が同ホールで、10月28日に開催されました。お話は、中町一丁目に工房を構える弦楽器職人の岩崎清夫さんとヴァイオリニストの滝千春さんでした。本公演前の2回にわたる講座の第1回目はヴァイオリンの歴史で、岩崎さんからイタリア北部のクレモナでアントニオ・ストラディバリによって作られたストラディバリウスが海外のオークションで億単位で取引されていることやストラディバリウスの凄いところはコンサートホールの遠くまでピアニッシモの音が聞こえるところにあり、狭いクローズな会場で聴き比べをしてもその違いはわからないなど、たくさんのヴァイオリンにまつわる興味深い話を聞くことができました。
　馬のしっぽで作られている弓毛に松脂（まつやに）を塗ったものと塗っていないものを使った聞き比べで、弓毛に松脂を塗らないと音が響かないことがわかりました。さらに、17世紀に作られたヴァイオリンと現代に作られたヴァイオリンの聞き比べも披露されました。
　講座の中で、素晴らしい滝千春さんのヴァイオリンソロが披露されました。J.S.バッハのプレリュード、オーストリアの作曲家ビーバーのパッサカリア、アメリカの現代音楽の作曲家コリリアーノのストンプで、とくに足を踏み鳴らしながら演奏するストンプには感激しました。12月9日の本公演がとても楽しみです。（まろんレポーター東西南北）