Vol.3103 小金井最初の高層マンションが建設された場所は昔鮎の養殖が行われていました。

最初の高層（単棟型）マンション小金井スカイコーポラスは昭和44年2月に竣工しましたが、この場所の時間を遡ってゆくと湧水とその活用が見えてきます。※国土交通省の定義では中高層（不動産取引での表示と異なり）3階以上となっています。ちなみに不動産業界での一般的定義では20階建以上をタワーマンション、鉄骨造りの建築でもマンションと呼んでも良いそうです。ちなみに軽量鉄骨はアパートだそうです。このような事から同じ建物（物件）でも不動産会社によってはマンション、別の会社はアパートと表示が異なる場合もあります。

現在のマンション周辺はこのようにより高い建物が目立っています。

昭和43年骨組みを組み立てた当時の写真です。骨組みだけ見てもこの地域にそびえているのが判ります。当時は府中からもマンションが見えました。小金井南口のランドマークでした。

建設がさらに進んだ時点での航空写真です。空から見てもほかに高い建物が無いことが判ります。右端のビルは建設したばかりの福祉会館です。

こちらは翌年、完成した福祉会館の屋上から撮影した完成したマンションです。完成当時マンションの景観から洗濯物は屋上に干すようになっていました。さらに入り口には「警備室」が有り団地と違い、防犯上安心と言われていました。

昭和36年の航空写真です。青丸の部分が建設地です。上空からは木が生い茂っていた事が判ります。マンションが出来る前、ここでワサビが作られていたことは有名です。国土地理院地理空間閲覧サービスより。

昭和12年の地図です。この場所がほとんど家も無かったことが判ります。

昔の事を質屋の出水として（スカイコーポが）建設されたのは10年前だが、それまでは清水が湧き出て静かなところだった。昭和初期、まだ都道が完成されない頃の出水山の北側は小高い丘であり、（中略）水源は3カ所有ったらしく一番奥の段はワサビ田であり、二段目が鱒の孵化場、三段目が大きく育った鱒の養殖池であった。と書かれています。本は昭和55年発行ですのでマンション完成の約10年後です。育てたのは紅鱒だったそうです。現在湖沼残留の淡水魚はヒメマスと呼ぶそうです。またこれは利殖ではなく研究として養殖したとの話です。水車も描かれています。星野進一著小金井101＝大正時代の思い出＝71～72頁　