Vol.2715 全国的に公民館は減ってきています。

小金井市に現在公民館は５館有りますが、全国的には減少傾向に有ります。何故全国的には少なくなっているのでしょうか？また、いつから公民館は有るのでしょうか？

東京２３区ではすでに公民館は有りません。杉並区の杉並学倶楽部では歴史の中で「杉並にも公民館があった」と完全に歴史の１頁になっています。平成元年には閉鎖され区立杉並体育館（公民館であった場所）には、記念碑（オーロラの像）まで建っています。３４年前には廃止なので少なくとも３５歳以下、現実には４０歳以下の区民の方は知らない施設です。やはり現代史の一頁です。文部科学省生涯学習制作局社会教育課　公民館の現状と課題平成２９年より転載。

公民館は戦後GHQの指導で昭和２４年制定の社会教育法で作られましたが、１９８０年代から不要論が出てきます。理由は初期の「成人への教育」から、８０年代で松下圭一の「社会教育の終焉」（１９８６）で提唱された、「成人の自主的な学習活動の支援」の考え方が出てきました。特に監督官庁が不要の方向を打ち出してからは減少しています。東京でもすでに２３区では公民館は有りません。代わりにコミュニティーセンターなどが出てきました。あえて市名は出しませんが小金井の近隣でも公民館が廃止された市もあります。まさに公共施設の絶滅危惧種です。

市報昭和４０年７月１５日号には”皆さんの茶の間”公民館として成人学校の日程表や若い人の集まりとして紹介しています。成人学校の講座は謄写印刷講座、ペン習字講座、生け花講座、料理講座などが有ります。現在の講座とはずいぶん違っていて、当時の市民の方の要望がよくわかります。謄写印刷は一般的にガリ版刷りと呼ばれる物で、エジソンの発明品です。

小金井市の公民館は昭和２４年５月２４日に開設されました。開設当時は図書館ではなく、「公民館図書室」でした。ただし実際に図書閲覧が始まったのは、昭和２８年７月からで、さらに「図書室備付の図書として適当な物を、多少に関わらずご寄贈されて（以下省略）」と市民にお願いしています。小金井市史資料編現代３０１頁