Vol.2652 方言は単語意外にも、アクセントも時代で変わってきています。

今回アクセントを研究している先生にお話を伺いました。小金井風土記の中では使われなくなった単語を紹介していますが、単語とともにアクセントも時代によって変わってきているそうです。

先生は高知大学の名誉教授で関東の方言や文法的な特徴などを研究されています。関東では意思や推測の表現として「○○べー」がありますが、多摩地区では濁音＋べーが特徴だそうです。私は押すことを「おっぺえす」というのは小金井の方言と思っていましたが、関東では多く使われているそうです。またほかの地域でも地元の珍しい方言と思っている方がいらっしゃるとの事でした。

芳須綠著小金井風土記にも「近年、交通機関の発達やラジオ、テレビの影響でそうした方言はすたれつつある。小金井も例外ではなく、ついさきごろまで使っていた日常語であるにもかかわらず、古老の間にしか通用しなくなった。」と書かれています。絵は昭和58年小金井新聞刊小金井風土記より転載。

小金井での経験から思い出すと、昭和40年前後に宅地化が進み毎月小学校には転校生が入ってきました。当時は小金井のベットタウン化が一気に進み、転校生といえば都心から移ってきた方が中心でした。「おめえ」は東京の方言だそうです。確かに小金井風土記には「おめえ」は有りませんが、昭和40年前後の第一小学校生では使い出していました。上の「じんじんばしょり」は着物の裾をはしょることです。絵は昭和58年小金井新聞刊小金井風土記より転載。

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昭和35年ＮＨＫのラジオ体操を第一小学校で行った時の写真です。当時は転校生も多く、この様に生徒も大勢いました。この後新規小学校の開校数が増え生徒数も半減しました。地域のアクセントはテレビや転校生などの影響があり徐々に変化していて、20代、40代、60代で違いがあるとの事でした。確かに昭和40年代前後の小金井、特に本町、中町の地区は「来る者拒まずの地域」でしたので、違うアクセントが混じりやすい地域だったかもしれません。先生の話では一般的には少数の外来者が、地域に同化するとの事でした。その意味では第一小学校地区は昔から開放的な地域でした。