こども農園2023.06.07

こども農園の記録　#13　梅ジュースづくり／畑カイギ〜畑の虫は殺すもの？それとも仲良くできる？〜

畑に到着すると、さっそく自分の担当野菜の収穫を始めていました。

今日は、ルッコラとキュウリ、オクラの収穫がありました！　キュウリはさっそく、野菜スティックにしておやつにいただきました。

前半は隣の大久保園さんの畑の一角で、草マルチ用の柴を刈りに。途中から畑の益虫テントウムシやカマキリを探す子もいます。

休憩時間。今日のおやつは、なんと・・・

ちょうど１年前に漬けた「梅ジュース」の梅。１年前の梅なのに、おいしい！！とみんなおかわり。
お砂糖と一緒に漬けておくだけで１年間腐ることなく美味しく食べられる！

これから野菜の収穫が増えていくタイミングで、すぐに食べるのではなく「加工」して「保存」する使い方を知るきっかけになったらと思います。

そして、今年も梅ジュースづくり！

みんなで協力してヘタをとり、お砂糖と梅を順々に瓶の中へ。７月にシロップにしてかき氷にかけていただく予定です。

後半は、いつもの畑仕事の前に「畑カイギ」と題して話し合いをしました。

前々回、「野菜を食べるバッタやウリハムシなどの害虫はすぐに殺した方がいい」と習ったこどもたち。野菜がきれいに育てるための方法を、農家さんは教えてくださったのです。

しかし「虫がかわいそう」「殺すなんてできない」という子もいて、「でも畑では野菜を育てるのが目的だから・・・」と講師の私も口を濁したまま、前回終わってしまいました。

そこで、改めてこの「モヤモヤ」をみんなに伝えた上で、一人一人の意見を聞き合う時間をつくることにしたのです。

「虫にも命があるんだから、殺すのはいけないことだと思う」「虫がかわいそうだから、私は殺せない」「虫にも、いい虫と悪い虫がいるよ」

「野菜にだって命があるんだし、野菜を育てるのが農園なんだから、虫は殺した方がいいと思います」など色々な意見が出てきます。

大学生サポーターが「私は蚊も殺せない性格だから、畑でも虫は殺せないです」というと、

小学生の子が「それは、自分が怖くて殺せないの？それとも、虫がかわいそうなの？」と鋭い質問を投げかけます。

どの目線から考え語るかによっても、感じ方は変わることに気付き始めます。

すると、虫を殺さないで、しかも野菜を守ることができるアイディアが出てきました。

「虫が野菜よりも好きなものを近くに育てたらいいんじゃない？」「虫が嫌いな匂いのものを一緒に育てるのはどう？」「アブラムシを食べる虫が好きなものを近くに育てて、よんだら？」

大切なのは、こうするべきという一つの答えを持つことより、一人一人がしっかり考えることだなと、改めて感じました。

ウリハムシに食べられたカボチャの葉っぱ。弱っていたところに「うどんこ病」という病気にもかかってしまい、このままではカボチャが危ない・・・？　

一方で、畑の土の中には、たくさんの小さな虫たちが住んでいて、落ち葉を分解して、栄養たっぷりの土を作ってくれています。これも虫の働きです。

「虫」と一言で言っても、いろいろな虫が繋がり合うことで自然は成り立っていて、その上で野菜も人間も生きているのだと思うと、そんな簡単に話を終わらせてはいけないように思います。

野菜を育てることは、環境（生態系）を育てることかもしれません。
今回は「虫」という切り口から話し合いましたが、育てていく中で直面する課題を前に、一人一人が考えることを「こども農園」では大切にしていきます。そこが、こどもたちの学びになるし、それこそが「農」の面白さだと思っています。

こども農園の記録 #13 梅ジュースづくり／畑カイギ〜畑の虫は殺すもの？ それとも仲良くできる？〜